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PAN SPECIAL INTERVIEW

他を寄せ付けない全力疾走でライヴハウス・シーンを駆け抜けるPANが新作『Positive And Negative』を完成させた。傑出した勢いはもちろん、PANにしか表現できないロックを全身全霊で築き上げた素晴らしい内容になっており、今作を聴けばPANが理解できると断言できるほど。
ライヴDVD『15 channel』、SABOTENとのスプリットアルバム『TROPICAL PARK』とリリースしてきた今年を締め括るにふさわしい出来栄えだ。今回は、スペシャル・インタビューということで、作品についても深く探りつつ、ひとりずつ席を外してもらい、残った3人で欠席裁判をするという、特別企画も実行! 熱さ・激しさ・面白さ・温かさを兼ね備え持つ、PANを存分に味わって欲しい!!

interview by ヤコウリュウジ

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――製作段階から考えれば、完成したのは奇跡的ですよね。今年5月にインタビューさせてもらったときは、新曲が1曲しか完成してなかったし。

ゴッチ(G.) でしたよね(笑)。

ダイスケ(Ba.) しかも、その1曲が推し曲になりました(笑)。

――で、アルバムについても訊きたいのですが、まずは新加入のよこしんさんに自己紹介をしていただきたいなと。

よこしん(Dr.) 新メンバーになりました…よこしんで……す。

ゴッチ 声が小さい!(笑)

よこしん え~、どういう自己紹介をすればいいですかね?

ダイスケ 趣味! 趣味!

よこしん 趣味は……ピアノです。

――SABOTENとのスプリット『TROPICAL PARK』でも披露してましたよね。もともと、繋がりはあったんですか?

よこしん 以前、HOT SONICというバンドをやってまして、PANは先輩バンドだったんですよ。で、ハジメさんが抜けるタイミングと僕らが解散するタイミングが一緒だったんで、拾ってもらったというか。

――じゃあ、仲も良かったと。

よこしん 周りの人は親交があったみたいなんですけど、僕はダイちゃんとしか話したことがなかったですね

――そうだったんですか。でも、初めて叩いてる姿を観たときから、違和感がないんですよね。

ダイスケ そんなこと言ってましたね。

ゴッチ たしかに、そう言われてるのを聞くことも多いですよ。

――活動としては、春からよこしんさんは加わっていたわけですけど、バンドのモチベーションはアガりましたよね。

ダイスケ もう、アガりまくりましたね。

――しかし、春の時点では新曲ができてなかったという……。

ゴッチ そこから、奇跡が奇跡を生むということを体現しました(笑)。

川さん(Vo.) 今回もやけど、ホンマに焦ったわ~(笑)。

――ハハハハ(笑)。ちなみに、どういったアルバムを作ろうと考えてました?

川さん(Vo.) まずは、勢いを増すっていう。結成17年目を迎えて、もうひとつギアを上げてみようかと。

ゴッチ そんなこと言ってたな、たしか。

川さん そんな年寄りでもないし、感覚が変わったわけでもないし、「まだまだいくやろ!」みたいな感じですよね。あとは、さらにシンプルにしたい。怖さもあったけど、いらんと思うモノは省いていこうっていう考えもありましたね。

――バンドを始めたてだったらシンプルにできることも、いろんな経験や知識が増えてくると、逆にできなくなるっていう。

川さん そうなんですよ。

ゴッチ だから、「こんなに単純でいいのかな?」みたいなことも言ってたりしてたし。

――でも、このタイミングで初心を振り返れたのはいい流れですよね。

ダイスケ 今年は、バンド史上いちばん忙しい1年でもあったし。DVD、SABOTENとのスプリット、そしてフルアルバムっていう。その締め括りにふさわしい1枚じゃないかと。

――3人にとっては覚悟の1年だったでしょうけど、よこしんさんはいかがでした?

よこしん だいぶ焦りました(笑)。

一同 ハハハハ(笑)。

川さん 結構ついてきてくれるから、わりとムチャを言ったかも(笑)。

よこしん いや、だいぶ言いましたよ(笑)。だから、メンタルはかなり鍛えられました!

一同 ハハハハ(笑)。

よこしん 実際、僕が叩くことによって、「微妙になったよね」と言われるのも怖かったし……不安に関しては、今でもあるぐらい。ただ、3人は仲間として受け入れてくれたから、たいへんやったけど、しんどくはなかったんですよ。やればやるほど、楽しみも増えてきたし。

――今回、よこしんさんはいきなり作曲もしてますからね。

川さん いきなり、曲を作ってるっていうのが笑けるな~。

――それこそ、3人がどれだけ頼ってるのかという(笑)。

ダイスケ よこしんに「作れるの?」って聞いたら、「まあ、なんとか」って言うから、「じゃあ!」と(笑)。

――ハハハハ(笑)。では、アルバムへ話を移しますが、勢いがありつつも、バランスのいい作品に仕上がりましたよね。

よこしん 曲作り自体はスムーズでしたね。そこまで煮詰まらなかったし、止まった感じもなかったし。

ダイスケ 困ったとしたら、「ゴッ○○ン」(仮)かな。最初は、全然違う感じやったんですよ。何回もアレンジを変えてるし。それこそ、最終的にアコギになりましたけど、バンドサウンドにする予定もあったぐらい。

――あっ、そうだったんですね。

川さん(Vo.) イメージとしては、ずっとヒーローっぽいのがあったんですよ。で、アコギでアレンジしたとき、チラッと観たら「あっ、ヒーローが横におったわ!」で、歌詞がああなったっていう(笑)。

一同 ハハハハ(笑)。

川さん(Vo.) その後、歌詞を書いたけど、「本人に見せたら面白くないな」と思って、ゴッチだけには見せずにレコーディングへ入ったんですよ。で、ヴォーカル録りをするときに「オレが歌うから、横でちょっと何か言って」と伝えて、そのままレコーディングしたのが入ってます(笑)。

――じゃあ、ゴッチさんだけはどんな歌詞か知らないまま?

ゴッチ そうっすね。まさか、そんなにディスられまくってるとは……

――いや、褒めてますよ。

川さん(Vo.) メチャメチャ褒めてる! だって、ヒーローやもん!

ゴッチ でもね、ヒーローの歌で、出だしが「典型的な面長」っていうのあります?

――まずは紹介しないと、どんなヒーローかわからないじゃないですか!

ゴッチ あっ、なるほど!

――まあ、結果的には愛されてないですけど……

ゴッチ 嫌われてる?

ダイスケ いや、報われてないだけで、嫌われてはない(笑)。

一同 ハハハハ(笑)。

――また、先だってPVが公開されている「Z好調」はまさにPANの真骨頂ですよね。

ゴッチ PVもいい感じに仕上がりました。

川さん(Vo.) サビの感じとか、高校生みたいな初心っていうか。今回、昔の曲の歌詞を読み返したりもしたんですよ。そのときの感覚を思い出したかったから。

ダイスケ 最初、書いた本人が不安がってましたけどね(笑)。

一同 ハハハハ(笑)。

川さん(Vo.) 書いたのはいいけど、さすがに「どうかな?」って(笑)。

ダイスケ それこそ、「今夜はバーベキュー」とか言ってるぐらいやし、全然アリやと思いましたよ。振り切り具合としては、「がんばりまっせ」に近いですね。

――PANの特長と言えば、勢いや熱さだけど、そういうバンドは他にもいると思うんですよ。PANが支持されてるのは、こういう振り切りがあるからだと思ってて。

川さん(Vo.) PANらしさをさらに奮い立たせるっていうことは考えましたからね。

――たまたま、ライヴで初めて披露したときに観てるんですけど……完成度の低さにビックリして、どうなることかと思ってましたが(笑)。

一同 ハハハハ(笑)。

ダイスケ まだ曲が固まってなかったですからね、あのときは(笑)。

ゴッチ でも、ライヴでやりたくなるんですよ。17年目になりますけど、それだけは我慢できない(笑)。

――この「Z好調」に象徴されると思いますが、全般的にスカっとした勢いがありますよね。

川さん(Vo.) そうですね。速さというよりも、勢い。まさに、突き抜けるような感じを出したかったし。

――また、今回はメンバー全員が作曲を担当してますが、それぞれにお気に入り曲を教えていただけますか?

川さん(Vo.) オレは「悪魔塔」ですね。

ゴッチ やっぱり、「遊SONG」かな。僕、自分が作った歌が好きなんです(笑)。

ダイスケ かなり形が変わった曲だよね。

ゴッチ そうそう。この形になって、さらにいいなと。いつも、新しい作品ができるたびに「いい!」って言ってますけど、今回はさらにレベルが上の「いい!」って言いたいですよ。

よこしん 僕は、いちばん思い入れが深い「Z好調」ですね。「コレがPANやな!」って、自分で聴いててもそう感じるんで。

ダイスケ オレは「寄り道」かな。こういう落ち着いた曲がしみじみとくるんですよ。

――挙がった中だと、「悪魔塔」や「寄り道」は歌に重きを置いたゆったりとした曲ですよね。

川さん(Vo.) TORIHADA GAME』がわりと一色でいったじゃないですか。今回はフルアルバムやし、違う面も出したかったんですよ。

ゴッチ それに、もともとこういう面もありますからね。

――『TORIHADA GAME』繋がりですと、「オアシス」が収録されてますよね。

ダイスケ よくぞ聞いてくれました!

ゴッチ いい質問です!

――過去の作品から曲を入れるのって、初めてですよね。だから、ちょっと驚いたんですよ。

ゴッチ 僕もビックリしました。

よこしん 僕もビックリしました。

一同 ハハハハ(笑)。

ダイスケ オレが最初に言ったのかな? もうちょっとボリュームが欲しいなと感じてて。

川さん そうそう。オレも「そうやったら、バランスがいいかな」と思ってて。レコーディングの終盤に「ちょっとやってみいひん?」って。ただ、時間がホントになくて。急遽、無理やり3時間ぐらい空けてやりました(笑)。

――バタバタでしたね、それ(笑)。

ダイスケ ミックスしてるときに、コーラス録りをしたぐらい。

川さん ダイスケは、ヴォーカルを入れる前にコーラスを録って帰りましたからね(笑)。

一同 ハハハハ(笑)。

――その手法は凄い!

川さん これが、17年のキャリアですよ!

一同 ハハハハ(笑)。

――他の作業に関しては、いかがでした?

川さん あ、歌詞がギリギリでしたね。

――レコーディング初日にどれぐらいあったんですか?

ダイスケ 4曲か5曲ぐらいだったかな?

――じゃあ、半分もないぐらいと。

よこしん 半分ないっす! 全然ないっす!

一同 ハハハハ(笑)。

――いちばんキツかった歌詞は?

川さん 時間がかかったのは、「遊SONG」と「MO!! 最高」とか。

よこしん 「叫べ」も、そうちゃいましたっけ?

川さん あ~、そっか。「叫べ」がいちばん遅かったかも。

――「叫べ」は『ONE PIECE』みたいなアニメのオープニングが似合うなと思いました。それに、これまでと違うテイストもありつつ。

ゴッチ 僕としても、新しいところが見えた曲ですね。

――「ゴッ○○ン」(仮)とは違ったヒーロー物というか。

川さん ということは、「叫べ」は正統派やな(笑)。

――また、どの曲にも共通するのが振り切れた感というか。ストライクゾーンに置きに行ったんじゃなくて、思いっきり投げた結果、ストライクになった曲ばかり入ってますよね。

川さん 今回、自分でも結構聴いたりしてますからね。出し切った感覚があるから、聴いてて気持ちいいし。

よこしん サラっと最初から最後まで聴けますよ。

――今は充実感に満ち溢れていると。

川さん 作品に関してはそうですね。あとは、ライヴでどう表現できるかという。

――すでにツアーの日程も発表されてますが、楽しみですね。

ゴッチ ここで加速するのか、減速するのか。

――えっ!? 減速しそうなんですか?

ゴッチ いや、大丈夫です。もし、減速しそうになったら「減速します!」って言いますから(笑)。

一同 ハハハハ(笑)。

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